千葉県在住のH/I様にご成約頂きました。
この車両は平成8年 110型 バージョンZ 走行92100キロとなります。
納車整備作業はエンジンに続きトランスミッションのメンテナンスへ進みます。
さて、表題の通りトランスミッションをオーバーホールする理由とは一体何なのでしょうか?
その理由は幾つかありますが、今回は正常作動状態でのオーバーホールの理由を幾つかご紹介いたします。
①シフトチェンジに関しては正常に作動するも、経年劣化が原因でオイルシール類(ガスケット)が劣化し、オイル漏れを発症。
更にその状態が酷い場合は、クラッチをつなぐ際に滑りを発症する場合も・・・。
※当店での予防も兼ねてオーバーホールする理由は大方が上記となります。
※上記は参考画像で実車のミッションとは異となります。
➁少走行車で良く見られる事案。
実際には乗らないが、時折、車庫内でエンジンを掛けて暖気している。
※シフトポジションがニュートラルの状態でも、インプットシャフトは回転していますので、当然ベアリングも回転します。そこで問題なのは実際に走らないと、そのベアリング部分がオイルレス状態となる構造だからです。
従って、その行為を繰り返せばベアリング自身が痩せて仕舞い、強いてはベアリングに「ガタ」が生じ、実走行の際の4速~5速、3300回転~4000回転付近で「ジャラジャラ音」を発症します。
③日頃の運転操作で起こりえるトラブルもあります。
車速に対し、早めのシフトアップ操作は禁物。
例えば5速、60キロで走行し、そこから加速する際にシフトダウンせずにアクセルを踏む行為も、上記ベアリングの「ガラガラ音」を誘発します。
1速、1速、確りと車速に合わせてのシフトチェンジを心がけましょう!!(^^)/
※一般的なマニュアル車のセオリーは、ビート(特別なギヤ比)には通用しない事をご承知おきください。
当店の「フルコンプリートパッケージ」メンテナンスの場合。エンジン本体と同時にミッションも車体から取り外しますので、より効率的に作業が進みます。
それではエンジン本体のオーバーホールに続き、トランスミッションのオーバーホール作業を実施します。
先ずはミッションケースを洗浄。
その後、各部の目視点検を行います。
この部位でのポイントは各シャフトの装着されると部位のひびや亀裂の有無となります。若し、ケースにヒビが発生したまま組み上げて仕舞うと、後日必ずオイル漏れを発症します。
次に各パーツの亀裂や破損の有無を調べますが、今回のオーバーホールの目的は、特に操作性やシフトチェンジの際のギヤ鳴り等の問題も一切無く、ご案内の通り、今後に向けての予防整備となります。
製廃となってしまった各ギヤ類を省き、1速/2速・3速/4速・5速(イソマサ対策部品)のシンクロナイザースリーブセットや、シフトフォーク・シャフト・各ベアリング・オイルシール等をもれなく交換します。
また樹脂類については経年劣化も著しく、交換必須となります。
特に重要なのは再販が叶った、画像中左下の白い歯車「スピードメーターギヤーCOMP」の交換は必須となります。
作業の際には上記画像の「スピードメータードライブギヤ」も併せて交換も必須。
交換を怠れば、新・旧パーツでは噛み合わせが合わず、「ギヤ割れ」発症のリスクも高くなり、最悪は「走行中に突然!スピードメーター不動に陥ってしまいます」。
※また、双方共に交換しなかった場合も、将来的には上記同様の結果となり得ます。”(-“”-)”
◎年間を通じ、相当数のミッションオーバーホールを手掛ける当店だからこそ、判り得る事と自負して下ります。<(_ _)>
結論としてトランスミッションオーバーホールに於いても、過去の整備履歴が判らない限りは、既存交換を要するパーツの再利用は厳禁となります!!
得てして良い結果を生まない事を、当店では非常に多く経験しております。(-_-)「フルコンプリートメンテナンス」における納車点検整備は更に続きます。 ⇒こちら
ご覧いただき、ありがとうございます。
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