大方の車両が登録から30有余年が経過した個体です。旧車を動かすのなら経年劣化の事実に目を背けず、確りと整備を施してから楽しまれるのが肝要。またその際には「旧車であることを深く理解した専門店」で施工されることが大切です。
前回ご紹介させて頂いた東京都在住のY/T様にご成約頂いた黄ビートの納車整備作業の様子となります。
ご契約頂く際にお客様と現車の同乗試運転を行い、その際に4速~5速でアクセルオンした際に多少の「ジャラジャラ音」が聞こえました。
原因はビートではお決まりのクラッチの「フリクションディスクCOMP」(通称クラッチディスク)部分のダンパースプリングのカシメが緩みからくる「スプリング共鳴音」となります。音は多少気になりましたが、この音は走行上の不具合は生じせん。
しかし、2輪では少年時代からの経験値は豊富とのことですが、この度のビートが自身所有としては初4輪のこと。となりますと出来るだけ良いイメージで4輪乗りへのスターをして頂きたい思いもありまして、敢えてクラッチ系の改善策も講じる事としました。
上記部品はクラッチ関連オーバーホールの際に使用する際の部品一式の画像となります。一般的整備工場では未だ使えそうだからと一部を再使用とする場合もあるかも知れません。
しかし当店の場合は必ず上記を同時に全交換としています。
旧車は同時期の交換履歴を大切です。理由としては物に依って次期交換が叶わない可能性が非常に高いからです。
いつまでも有ると思うな的感じです。
早々に「トランスミッションケースCOMP」を取り外して、クラッチ関連のオーバーホール(関連部品交換作業)を行うこととしました。
エンジン本体側に装着されている「プレッシャーディスクCOMP」や「フリクションディスクCOMP」(通称クラッチディスク)をエンジン本体から取り外します。
取り外して「フリクションディスクCOMP」(通称クラッチディスク)のスプリング部分に手を触れてみると、矢張り、カシメ(丸い囲みの部分)が緩くなっており、「ダンパースプリング」が「クルクル」と動き回りました。※このスプリングの動く音が共鳴音として「ジャラジャラ」と聞こえるます。
続いて「フライホイールCOMP」を取り外し、センター部分の「クラッチパイロットベアリング」も交換します。※この部位には「メインシャフトCOMP」が挿入されます。
更にはエンジン本体のクランクシャフト裏側の「オイルシール」の劣化状態を確認。目視確認の結果。「オイルシール」から若干のオイルの滲みが視られます。早々に「オイルシール」を新品へ付け替えました。
今回のクラッチ系のメンテナンスを行なったことによって、上記オイル漏れの早期回避が叶ったことになります。若しも上記からのオイル漏れが著しくなれば、最悪は「クラッチ滑り」なども誘発しかねません。
エンジン本体奥側部に装着されている「エアコンコンプレッサーCOMP」となります。エアコンは現状は正常に良く冷えておりますが、専門的見地から先回り予防整備の一環としてこのタイミングでリビルド化が叶った「エアコンコンプレッサーCOMP」と交換しました。
トランスミッションケースを装着し、その際には左/右共にリビルドが叶った「ドライブシャフトASSY」を装着しました。
その際にはトランスミッションケースのドライブシャフト装着部分のオイルシールは再使用せず必ず新品交換とします。※再使用した場合にはこの部位からのトランスミッションフルードの漏れが起こる確率が高いからです。
クラッチ系のリフレッシュが叶い、ビート特有のシフトチェンジの際の小気味よいフィーリングが更に増します。(^O^)/
いよいよ納車整備作業は最終章へと向かいます。Y/T様、納車迄、今しばらくお待ちくださいませ!!
ご覧いただき、ありがとうございます。
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