本年2月に長野県在住のD/N様にご購入頂き、フルメンテナンス(E/G&M/Tオーバーホール渡し)にて4月後半に納車させて頂いた赤ビートです。
※その際にも「ディストリビューターASSY」も新品交換済。
そして納車後500キロ点検で来店の際、「ディストリビューターASSY本体」からのオイル漏れ発症を確認。新品のディストリビューターに交換して納車。
更にその一か月後の6月の2000キロ走行点検時と8月時にも上記症状を発症にて交換。
都合3個目の新品ディストリビューターASSY交換となった車両です。
上記、走行距離が極端に少ないのは、2019年4月の納車整備の際にトリップメーター不動の不具合が有り、新品スピードメーターに交換しましたので、D/N様がお乗りになった実走行距離となります。
※尚、メーター交換の際には走行不明と成らないように臨時分解整備記録簿を発行しています。
※上記は以前にも使用した画像です。
そして今回オイル交換にてご来店頂いた際にも・・・・再びディスビ本体からエンジンオイルが漏れ出しておりました。
青の囲みがディストリビューター本体部分で、赤い囲みの部分にディスビ本体から溢れ出したエンジンオイルが付着していました。
※因みに時折オイル漏れを発症するカムホルダーのOリングはエンジンリビルドの際に新品に交換済みです。
流石に「3個目」となると「ディストリビューター本体の不良」だけで無く、噛み合っている相手側である「カムシャフ本体のギヤ部分」や、その周辺部位の異常も疑わざるおえないと判断。
個体をお預かりしてシリンダーヘッドを取り外し、疑わしき部位を総て点検・測定する事にしました。<(_ _)>
上記画像は取り外したディスビと新品ディスビの画像ですが、見た感じで摺動確認ではどちらも問題なさそう・・・。( ^)o(^ )
尚、ディスビ本体の良し悪しを調べるには実際に本体をホルダーから引き抜き、指でシャフトを回して「抵抗感」を確認します。
シャフトの錆の度合いに関係なく、若しも、「ゴロゴロ」とした抵抗を感じるようであれば万事休す・・・。
◎その場合は迷わず新品ASSYと交換しましょう。(;^ω^)
※尚、補足としてディスビ本体のシャフトの錆を磨いて綺麗にしても・・・⁈ 但し、キャップを外して目視点検した際にシャフトが錆びていれば、上記症状の可能性は高まりますが・・・。
※ディスビ本体を引き抜くと点火位置がズレ再調整を要します。整備知識の無い方は触らないようにご注意ください。
そんな訳で分解点検作業の開始となりました。
シリンダーヘッドを外す為には各保器類を取り外し、タイミングベルトも取り外します。
更に分解を進め、取り外したカムシャフト及びその周辺の補器類の状況を点検しましたが総て異常なし・・・。(T_T)
念のため使用可能な優良中古カムシャフトと入れ替えて、シリンダーヘッドを組み直して、搭載しました。
結論としては、単純に新品供給のディストリビューターが3個とも不良品だったという事です。4個目での改善を祈るばかり・・・。
※ちなみに上記個体以外では、1個目は駄目でも交換した2個目からは現在問題は確認されていません。しかし今後は上記のように短期間に走行距離が伸ばす使用と違い徐々に症状が増えて来そうな予感がします。
その後、100数十㎞の試運転を経てオイル漏れの有無を確認しメンテナンスは完了。
お客様には次回の3000キロ又は半年後のオイル交換の際に再度点検させて頂くことを約束し、納車させて頂きました。D/N様に於かれましては、度重なる事態にて大変ご迷惑をお掛けして仕舞い誠に申し訳御座いません。m(_ _)m
最後にこの場をお借りして、当店での2019年1月~12月迄の交換実績と不良率を発表致します。
☆新品ディストリビューター交換数44個。
★44個中、エンジンオイル漏れ発症12個。
その発症率は野球の打率に換算すると2割7分2厘となり、結構な確率である事が伺えます。
また最近は、日ごろからの啓蒙活動の甲斐もあり、同業者からも初期不良の声がチラホラと聞こえる様になって参りました。
★「ディストリビューターASSY」交換の後、エンジンの吹け上がりが思わしくないと感じたり、金属が擦れる様な回転音を感じたら、技術スキルのある工場で点検されることをお勧めします。
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