今回は「ビートあるある」の一つとも言える、気になる異音についてご紹介します。
加速時、シフト4~5速の3,000回転付近で発生する「ジャラジャラ音」。その原因は一体何なのでしょうか?
また、以前と比べて部品の材質劣化などにより、比較的早い段階で発症するようになったのでは?と思われる、加速時の異音についてもご紹介していきます。

ズバリ! 原因はクラッチ関連部品の一つである、フリクションディスク(通称:クラッチディスク)に組み込まれたダンパースプリングから発生する音です。

画像をご覧いただくと分かるように、ダンパースプリングは本来、カシメによってディスク本体に固定されています。
このスプリングには、クラッチを繋ぐ際に発生する駆動系のショックを和らげる役目があります。

上記は正常な状態のダンパースプリングの画像
ところが、経年使用によってスプリングが摩耗すると、本来は所定の位置に保持されているはずのスプリングにガタが生じ、加速時などに「ジャラジャラ」といった異音が発生するようになります。

最近の傾向として、クラッチ交換後、およそ3万~4万km前後で異音が発症するケースが見受けられます。
正直なところ、新車当時から暫くの間は、もう少し走行距離が進んでから気になり始めていたように記憶していますが……。
部品の材質や品質の変化なども影響しているのかもしれません。とはいえ、その原因を一概に断定することはできません。
それにしても、一度発症すると加速する都度、耳につく異音が発生するため、気になり始めると実に厄介なものです。”(-“”-)”
ただし、このダンパースプリングからの異音だけであれば、直ちにクラッチの機能に支障をきたすとは限らず、異音が発生していても、暫くは走行できる場合があります。
もちろん、異音の原因が本当にクラッチディスクにあるのか、ほかの部位に問題がないかを確認することが大切です。

更に走行距離が進んだ車両では、クラッチレリーズベアリングの劣化にも注意が必要となります。
劣化の状態によっては、クラッチを繋ぐ際にベアリングがロック状態に陥り、発進時にエンストを引き起こす場合もあります。
こうした状態にまで進行した場合、単にクラッチレリーズベアリングを交換すれば済むとは限りません。

状況に応じて、クラッチレリーズフォーク、プレッシャーディスクCOMP、クラッチパイロットベアリングなど、関連部品の交換も必要となります。
一般的に「クラッチオーバーホール一式」と呼ばれる整備では、こうした関連部品も含めて状態を確認し、必要な整備を実施していきます。
そして、もう一つ忘れてはならない重要な確認作業があります。
クラッチ関連の整備ではトランスミッションケースCOMPを取り外しますので、併せてトランスミッション側のメインシャフトCOMP周辺についても、ベアリングのガタなどを確認します。
仮にシャフトにガタが生じていたり、トランスミッションフルードの漏れなどが認められたりした場合には、トランスミッション本体のオーバーホールまで必要となるケースもあります。
何分、ホンダビートは車齢からして、既に旧車の部類に入るクルマです。
クラッチの異音が気になって整備を始めたところ、周辺部品の劣化が見つかり、結果として当初の想定よりも整備範囲が広がる場合もございます。
だからこそ、目の前の異音だけを解消するのではなく、関連する部位までしっかりと点検し、愛車の現状を把握したうえで、必要な整備をご提案することが大切だと考えております。
安易に部品を交換して終わりにするのではなく、これからも安心してビートを楽しんでいただくために、どこまで手を入れることが愛車にとって有意義なのか。
それを見極めることこそ、旧車を専門に扱う整備店の役目で御座います。
ご覧いただき、ありがとうございます。
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