外観が奇跡的に綺麗なのに、内部は約30年間眠っていた実走行5,779㎞の真実とは!?一台のビートが30年ぶりに再び路上へ戻っていく再生物語!
その2
一見すると、新車当時の状態をそのまま保っているようにも見える今回のビート。
外装の状態は奇跡的とも言えるほど良好ですが、実際には約30年間、ほとんど動かされることなく眠り続けていた不動車です。
いわゆる「見た目は新車、内部は30年間停止」

今回の再生整備では、外装には手を加えず、それ以外の各部を見直していく「原点回帰」をテーマとしております。
但し、ここで言う「原点回帰」とは、単純に古い部品を新品部品へ交換していくことではありません。
「30年間止まっていた時間を、一つひとつ確認しながら、新車当時の状態へ近づけていく。」
これが今回の再生整備における、当店の考える「原点回帰」です。
その2 整備前の各部点検
今回も前回同様整備前の各部劣化度合いの点検からスタートとなります。

画像は「フューエルタンクCOMP」を車体から取り外した状態となります。
前回ご案内した通り、今回のフューエルタンクCOMP及びフューエルポンプセットについては、現状を確認した結果、再使用を断念。
新品部品へ交換することとしました。
ただし、せっかく新品部品へ交換するのであれば、今後できる限り長く安心して使用していただける状態にしておきたいものです。
そこで、錆や腐食の発生を抑えることを目的としたコーティング処理を施した後、車体へ装着します。
30年間眠っていた車両だからこそ、現在の状態だけを見るのではなく、これから再び路上を走り始めた後のことまで考えて整備する。
これも今回の再生整備において重要なポイントとなります。

続いて冷却系及びエアコン関連です。
ラジエターCOMP、ACコンデンサーCOMP、各配管やホース類。
目視だけで確認すると、一見問題が無いようにも見えます。
しかし、ここが長期保管車の難しいところです。
「今、漏れていない」ことと、「これから走っても漏れない」ことは、決して同じではありません。

30年間ほとんど使用されていなかったゴムホースやシール類は、外観だけでは判断できない経年劣化が進行している可能性があります。
完成後、いざ路上へ復帰した途端に水漏れやガス漏れが発生する。
そのような事態は、決して珍しいことではありません。
特に冷却水の漏れは要注意です。
万一走行中に冷却水が失われれば、オーバーヒートを引き起こし、アルミ製のエンジン本体にまで大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
そのため、外観上は一見綺麗な「ウォーターパイプCOMP」についても、このタイミングで新品へ交換することとしました。

そして、次にサスペンション関連です。
30年間ほとんど動かされていないダンパーASSYについては、フロント・リヤ共に交換は必須と判断。
さらに、各ロッド類やアーム類についても確認を進めます。
これらの接続部位にはゴム製のブッシュが使用されています。
車は走行していなくても、ゴム部品の経年劣化まで止まるわけではありません。
むしろ今回のような**「低走行だからこそ見落とされやすい経年劣化」**には、注意が必要です。
走行距離は僅か5,779㎞。
数字だけを見れば、まるで新車のような距離です。
しかし、このビートが過ごしてきた約30年間という時間は、5,779㎞という数字の中には表れてきません。

だからこそ今回の整備では、
「走っていないから大丈夫」ではなく、
「走っていないからこそ確認する。」
この考え方を大切にしています。
大方の交換部品も揃っておりますので、エンジンやトランスミッション本体の回帰作業を実施する前に、まずは周辺各部位のリフレッシュを進めていきます。
そして、ここからいよいよ心臓部とも言えるエンジン、トランスミッションへと作業は進んでいきます。
果たして、約30年間眠っていた実走行5,779㎞のエンジン内部は、一体どのような状態になっているのでしょうか?
外観からは想像もつかない「30年間の眠り」の答えが、少しずつ見えてきます。
作業は更に続きます。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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